カンピロバクターは、カンピロバクター感染症を引き起こす湾曲または棒状の細菌です。カンピロバクター属には17菌種と6亜種に分類でき、世界中のヒトの胃腸炎症例の約25%を引き起こしている、 らせん状のカンピロバクター・ジェジュニとS字状のカンピロバクター・コリ が含まれます。
カンピロバクター感染症の症状には通常、下痢、腹痛、吐き気や嘔吐、頭痛、発熱などがあります。症状の発症は通常、感染後2〜5日以内に起こり、3〜6日続きます。開発途上国では乳幼児のリスクが高く、開発途上国への旅行者のうち次に該当する場合も同様です。
5歳未満
65歳以上
男性
免疫不全
1,000件中約1件の症例では、C.ジェジュニ が、自己免疫性麻痺の急性型であるギランバレー症候群のその後の発症と密接に関連しています。C. ジェジュニ 感染症は、小児および成人の反応性関節炎とも関連しています。
カンピロバクター感染症は、様々な関連産業および個人レベルにおいて、基本的な公衆衛生を実践することによって予防できます。保健当局および規制当局は、カンピロバクター感染症の感染拡大を防ぐために様々な措置を講じることができます。例えば、食物連鎖の様々な側面を規制し、労働者に適切な衛生状態のためのトレーニングを実施し、食品、飲料および下水システムの消毒を取り入れることができます。
個人では、以下のような適切な食品の安全性を実践することができます。
- 石鹸と水で頻繁に手を洗って乾かす(特に動物との接触後、トイレの後、調理の前後、調理中、食事前に実施)
- 鶏肉をしっかり調理する
- 肉とその他の食品は分け、清潔な調理器具やまな板を使用する
- 調理台を清潔にする
- 生肉や加熱不足の肉を避ける
細菌培養を行った後に顕微鏡検査を行うのが、カンピロバクター 菌の標準的な同定方法です。しかし、本質的にグラム陰性微好気性の カンピロバクター 種は、生存を続けるには嫌気性環境が必要で、培養での増殖は必ずしも容易ではありません。カンピロバクター 種は増殖速度が遅いという特性もあり、結果を報告するために必要な決定的な増殖レベルに達するまで48〜72時間を要する場合が多いものです。
はるかに短い期間でより高いアッセイ感度と特異性を達成する能力を持ち、優れた診断性能を提供できる カンピロバクター 種を検出するための現代的な方法があります。迅速かつ正確な結果により、最適な抗生物質の処方など、速やかで適切な介入が可能になります
カンピロバクター感染症のほとんどの症例は、医療介入を必要とせずに治癒します。下痢時は、水などを多めに摂取して体に水分を補給することをお勧めします。他の危険因子を有する方には、抗生物質が処方されることがあります。